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暴力の文化。

前から行こうと思いつつなかなか機会がなかった展示があったのですが、このお休み中にようやく実現。
その展示はスペインの写真家Isabel MuñosのMaras la Cultura de la Violencia
Isabel Muñosは現在世界的に最も成功を収めている写真家の一人で、私も彼女の写真展に行ったことがあるのですが、私の好きな写真家の一人でもあります。彼女のテーマのひとつであるExpleción Corporal、つまり体を通した表現を被写体にしているところがとても興味深く、一枚の写真から人の体を通して語りかけられるものが私の興味・関心をつかんでいるのです。

で、そんな彼女の写真展がCentro Cultural del México Contemporáneoで行われていて(注 12月31日で既に終了しています)、今回のはテーマMarasであるということでとても興味深かったわけです。

Marasの話しに入る前に、私にとって今年一年は中米に始まり、中米に終わる一年だったという話は前回少し触れましたが、今まで一部中米やカリブと仕事をしてきましたが、今年ほど中米に深く関わったのは初めてで、出張でコスタリカ、エルサルバドル、グアテマラにも行き、仕事を通してこの地域のここ数年の目覚しい経済発展と同時に深い問題と闇も垣間見て来ました。一般的に日本人にとって中米と言うのはものすごく縁遠いエリアで、この地域が何を目指し、どんな問題と直面しているのかは全く持って知られていないのではないかと思います。ここで書き出すときりがないので今回はやめておきますが、私個人にとって中米は開発を考える上で大きな希望とそこにたどり着くための高い壁のある地域だと思っています。本当はエルサルバドル出張の話をこのブログでも年内に書こうと思っていたのですが、忙しさといろいろな興味深いテーマが次々と現れて結局年越しですが、稚拙なブログながらも中米の抱える問題を少しでも日本人にも知ってもらいたい、と言う思いが前からあったので、今回のこのMarasの写真展の紹介を通して少しでも現状を知る機会になれば、と思います。そして、本来私がブログを通して伝えたいことと言うのは多分こういう問題を少しでも知ってもらいたいことにあるんだな、と改めて思いました。
maras
それではそのLas Marasについて。
maras 2

Marasとは70年代にアメリカ・ロスの中米系移民とりわけエルサルバドル系の移民で構成されたギャングスターが始めでした。彼らはメキシコ系移民Chicanosからの攻撃に自衛・反抗する形で形成されていきましたが、これに80年代のエルサルバドル、グアテマラなどにおける内戦によってアメリカに移住した人々が加わり勢力を広げ、かつより残虐性を増して行きます。現在ではMarasはアメリカ、メキシコ、中米に存在しており、中米における犯罪の相当数に関わっていると言われます。
MarasはMara Salva Truchaと言われるエルサルバドル系が最も大きい勢力で、MS13とMS18と呼ばれる2つのグループが勢力を二分しています。その他グアテマラ、ホンジュラス人などで構成されています。
MS

Marasの特徴は全身のタトゥーとサタニズム。残虐な犯罪だけでなく、いわゆるサタンへの儀式として人を殺し、その血を飲んだりすることから多くの人から恐れられています。
MS2

今回の展覧会は非常にすばらしいものだったのですが、写真だけでなくビデオも上映されていてそれがとてもよくできていて、たくさんの人が熱心に見入ってました。その中でIsabel MuñosがなぜMarasをテーマに撮ることにしたのかを語るシーンがあって、エチオピアで全身にボディペインティング(タトゥーだったかもしれません)を施す部族の撮影をしているときに、このMarasのことを知り、アフリカで中米の都市において同じように全身にタトゥーをほどこす「都市部族」につよい興味を持った、と話していましたが、Marasのタトゥーは確かに多くを語っているように思います。

前述のビデオの中で実際に撮影に協力したMarasのメンバー(ほとんどが囚人)が自らの生い立ちやMarasについて語るシーンがたくさん出てくるのですが、これがとても興味深く、例えばCiudade de Diosで実話に基づいて描かれたゲットーにおける強盗・殺人といった負の連鎖よりも私にははるかに強烈なリアリティーを感じさせるものでした。その中でまだ10代、それも前半かな、と思わせるエルサルバドル人の少年が言うせりふがあります。
La muerte es segura pero la vida no.(死は確かなものだけど、人生(生きると言うこと)はそうじゃない)

メキシコを含め中米においてこのMarasは大きな社会問題なのだけど、問題の本質はMarasをどうコントロールするかと言うことではなく、なぜこう言った暴力集団が現れるのかと言う事。

エルサルバドルの首都、サンサルバドルに行けばこの国の目覚しい発展を見ることができ、内戦はもう過去のことだと頭の中では思えても、実際はそうではなく、強烈な破壊から立ち上がることがまだできずにいるのも事実。こう言った残虐な犯罪集団の根底には家庭崩壊があり、それ以前に社会が崩壊してしまっていることにあり、結局のところLas Marasは社会を反映しているのだと思う。

数年前にニカラグアに行ったとき、内戦ほどこの世の中で悲惨なものはない、と思ったけれどエルサルバドルの発展の影にあるMarasを通して改めてそう思います。
前回映画「サルバドル」をご紹介しましたが、映画だけでなく、このMarasという現実も内戦の負の連鎖のひとつとして知ってもらえればと思います。

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テーマ メキシコ    ジャンル 海外情報



 

Comments

Edit
こんにちは!
今もう3月の終わりですが、アメリカでSin NombreというこのLas Marasについての映画が先週から公開し、早速見に行ってきました。Las Marasの事を以前chamoyさんがブログに書いていた事を思い出して再度読んでみて、改めてこの映画はすごくリアルに表現されているんだなと思います。
監督が日系の人で(多分メキシコ人)これが初の監督作品という事にもビックリです。Gael GarciaとDiego Lunaも製作に関わっているそうで、メキシコでも公開しているのかな?
メキシコに戻られてから見に行ってみて下さい!おすすめですよ~
Edit
ayakoさん
インドから戻ってきました。
私がブログで取り上げたことを覚えていただいていて、光栄です。
時間があるときにぜひエルサルバドルのお話を書こうと思いつつ、1年経ってしまったのですが、そろそろ書くつもりなのでまた覗いてみてください。

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