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イノセント・ボイス

さて、メキシコのアカデミー賞と言われるアリエル賞の受賞式が3月31日に行われました。ここで紹介しているRudo y Crusiもノミネートされていますが、受賞はなし。そのほかブログでとりあげようと思いつつそのままになっているArráncame la Vidaは衣装など4部門での受賞などですが、アリエル賞関連の作品で書こう、書こうと思いつつそのままになっていたので今回こそは・・と言うことで取り上げるのはイノセント・ボイス(Voces Inocentes)
イノセント・ボイス~12歳の戦場~ [DVD]
ローレンス・ベンダー オスカー・トレス
B000FHVUBQ

この作品、2005年のアリエル賞でダック・シーズン(Tempoladas de Pato)と競り合いましたが、ダック・シーズンが主要部門を含む11部門を受賞しアリエル賞を圧倒しましたが、私個人としてはどちらの映画もいい映画だと思いますし、こういった映画が受賞を競ったことを考えると前述の通りやはり今年のノミネート作品はちょっと小粒というか強烈なインパクトに欠けるかな、と思いますが。(ただDesierto Adentroなどああいう重いテーマを扱っている作品もあったり、メキシコ映画の懐の深さは感じます)

内容(「」内はOriconデータベースより)
「1980年代、激しい内戦下の中米エルサルバドルで少年時代を過ごした青年が、13歳で亡命するまでの実体験を綴った真実の物語。少年の視点で描かれる内戦下にあった国の生活、政府が掲げた徴兵制度…。少年は銃弾の嵐の中で未来に何を見るのか。家族を守るため、生きるために少年はある決断をする!衝撃的な内容の本作は、世界中で感動の涙を誘った。カルロス・パティジャほか出演。」

イノセント・ボイスは1980年代にエルサルバドルで繰り広げられた内戦の惨状を描いた作品ですが、作制はメキシコ。撮影もメキシコで行っている映画で監督、俳優陣もずらりとメキシコ人が占めています。ちなみに撮影はVeracruzのXico近郊で主に行われていますが、Xicoはこのブログでも既に紹介していますが、自然が豊かでとにかくご飯の美味しい私のお気に入りの街のひとつです。私は昨年仕事でエルサルバドルに行っているのですが、その時首都のSan Salvadorから地方へ移動中眺めた農村の風景はこの映画に描かれた風景、つまりVeracruzの自然とかなり重なって見えました。ちなみにここで既に紹介したオリバー・ストーン監督のサルバドルも撮影はメキシコです。

この映画、脚本を手掛けたオスカー・トレスの実体験を基に描かれていますが、個人的には前述の映画サルバドルが強烈な内戦のリアリティを突きつけているのと比べると映画としての完成度の方を優先させた作品に思えます。しかしながらどちらも日本人にとってはかなりのインパクトのある映画ではないかと思います。

数年前ニカラグアに行ったとき、直接内戦に関わるような現場には行かなかったのですが、社会的弱者と接する中で彼らを通して強烈なそして今も終わってはいない内戦を感じた、という経験を経て世の中で最も悲惨なものは内戦なのだと思うようになりました。そのニカラグアよりもさらに激しい内戦を経験したエルサルバドルという国に興味を持っていた私は昨年仕事でこの国を訪れましたが、その話はもっと掘り下げて書きたいので、ここでは少しだけ触れておくだけにします。

イギリスの古い諺にこんな言葉があります。
「目に見えないものについては、心は悲しまないものである」
多くの人にとって中米の内戦は「目に見えないもの」であると思いますが、この映画はその悲惨さを可視化することによって中米の苦難の歴史や少年兵の存在を知ることによって何かしらの心の悲しみをかんじるのではないかと思います。そういう意味において非常に意義のある映画ではないかと思います。

ところで、インドに行っている間だったのでこのブログでも取り上げる機会がなかったのですが、3月15日に行われたエルサルバドル大統領選挙。ちょうど私がエルサルバドルに出張したのが1年前で既に大統領選の話がかなり頻繁に耳に入ってくるような状況でしたが、そのときの予想通り左派野党ファラブンド・マルティ民族解放戦線(FMLN)が推す元テレビ記者マウリシオ・フネス氏が勝利しました。FMLNの母体は、この映画でも描かれているエルサルバドル内戦で政府軍と戦った反政府左翼ゲリラであり、92年の和平後に合法政党に転換し、初めて政権を手にしたことになります。

この大統領選、1年前の非常に興味深く思っていたのですが、これでラテンアメリカはもう、本当に「真っ赤」に染まってきています。かつてはアメリカの「裏庭」であった中米。ニカラグアにせよ、エルサルバドルにせよ内戦の背後に大きく存在していたアメリカ。ましてやエルサルバドルは親米路線を打ち出してきた国ですが、それにしてももうこういう状況になってきています。ま、エルサルが急激に反米化することはないでしょうが、中道左派であるマウリシオ・フネス氏の今後の舵取りが非常に注目されると思います。

私は小説であれ、絵であれ、映画であれ、その作品の中に描かれていることはその中だけで解釈するのではなく、その背景にあるものとの関連性の中でどう捉えるか、という点が重要だと思いますが、今ラテンアメリカの政治・社会は急速に左に傾いていっている中で、改めてこの映画の舞台であるエルサルバドルと言う国、あるいは中米と言う地域をもっと日本の方にも知ってもらいたいな、というのが私の今後のテーマになりそうです。
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テーマ メキシコ    ジャンル 海外情報



 

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