A LA MEXICANA

メキシコ情報満載でお届けします


--
Category: スポンサー広告   Tags: ---

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


21
Category: MEXICOあれこれ   Tags: ---

現代を生きる先住民女性達

私がこのブログを始めたのは、メキシコという国の魅力がステレオタイプのメキシコ像ばかりで、なかなか日本には伝わっていないように思えたので、メキシコってこんなに面白いし、こんなに素敵なんだ、ということを伝えたかったことから始まっています。と、同時に、メキシコシティの生活ってこんなに楽しいのよ、ってことも含め、お店やイベントの紹介などもしているのですが、そういった内容のものは別に私でなくても、他の誰かでも書けるし、事実そういったブログや記事はたくさんありますが、自分でないと書けないテーマにもうちょっと触れるべきかな、というのもあって今回調査目的で滞在しているチアパスのお話を少し書きたいと思います。

私は開発におけるジェンダー問題を専門としていますが、とりわけチアパス州の先住民のジェンダー問題に強い関心を持っていて、今回の調査の中心的テーマでもあります。先住民というと遠く離れた寒村に住んでいるイメージがあるかもしれませんが、統計上かなりの先住民が都市部に居住しており、私の関心もいわゆる先住民共同体に居住している先住民よりも、都市部に住んでいる先住民にあります。
もう少し付け加えるなら、先住民族共同体を追放されてSan Cristóbal de las Casas周辺に移住した先住民族のジェンダー問題に最も強い関心を持っています。なので、今回の調査でもそういった人々にインタビューするため、貧困層の居住地域や、追放された先住民族のコミュニティを訪ねています。

追放、と聞くとなんだかすごい悪いことをした人達なんじゃないかと思うかもしれませんが、多くの理由は宗教的なものです。INEGIが2010年に実施した国勢調査においても89.7%のメキシコ国民がカトリック教を信仰しており、先住民共同体もカトリック教徒で成り立っています。しかしながら、1960年ごろからラテンアメリカにおいてペンテコス派を中心とするプロテスタント教徒への改宗が顕著化しており、宗教的・社会的対立が表面化しつつあります。メキシコ最南端の州チアパスの先住民村落もその例にもれず、1970年代初頭よりプロテスタント改宗者とカトリック教徒との対立が顕在化し、大きな社会問題へ発展しています。
チアパス州のカトリック教徒は2010年の調査ではついに60%を切り、59.5%となりました。これは州全体の数字なので先住民族の共同体においてはより顕著なカトリック離れがあります。
先住民共同体はUsos y Costumbres(慣わしと慣習)によって統治されており、Usos y Costumbresに背くものは追放されますが、カトリック教徒であることが共同体の構成員である条件であるため、カトリック以外の宗教を信仰する者は追放されます。他にも暴行されて望まない妊娠をした場合も女性に非はありませんが、「恥ずべきこと」として追放されることもあります、また、共同体を離れるのは必ずしも追放された場合とは限らず、夫の暴力に耐えかねたからだったり、あるいは経済的な理由だったりもします。
1

今回の調査のひとつインタビューの例をあげると、この写真の女性。彼女はZinacantán出身の先住民女性。村を追放されて、一家でサンクリストバルへ引っ越してきた人ですが、彼女の名誉のために説明すると、彼女の追放された理由は宗教的なものでもなく、彼女、あるいはその家族に何の非もなく、むしろ被害者といえる理不尽な理由によるものです。彼女の一家は引越し先で何の財産もなく、彼女はスペイン語も話せなかったのでひと前に出る勇気もなく、また先住民女性は一人で外出することはよくないこととされているので、家に閉じこもる日が続いていたのだけど、今では10の先住民女性グループのリーダーで、組合を束ねて写真に写っている民芸品店を運営しています。またCDI(Comisión Nacional para el Desarrollo de los Pueblos Indígenas 先住民開発委員会)から委託を受けて多くの先住民族コミュニティでプロジェクトの支援、ファシリテーション、スペイン語とTzotzil語の通訳を行っています。
インタビューではその過去のつらい経験から内面的変化を遂げて、自分に自信を持ち、かついろいろな技術を身につけることで彼女が変化を遂げていく過程を追っています。
彼女はしっかりと自分の考えを持っているけど、決して押しは強くなく、とても穏やか。自らもZinacantánの伝統民芸品を製作をしていて、この写真の民族衣装も自分で作ったもの。中に着ているブラウスも映っていないけどとても細かいきれいな刺繍のブラウスでした。
今でもZinacantánの伝統を守っている部分もあれば、全体的な着こなしとか、持ち物、振る舞いなど非常に洗練された現代を生きる先住民女性、という雰囲気が伝わってきます。
ちなみに彼女、私と同い年。一般的に先住民は年上に見えて、日本人は若く見えるから、私と彼女が並んでも同い年には見えないと思うけど。ただ、同い年だけど、同じ女性だけど、生きてきた道はまったくことなるもので、どちらがいいか悪いか、ということではなく、ただただ、こんなにも違うものなのかと圧倒されました。
他にも複数の先住民女性にインタビューを行ったので、現代を生きる先住民女性の姿をこのブログで少しお伝えできればと思います。

メキシコスペイン語の解説やってます。Twitterボタン
http://twitter.com/lexicomexicano
関連記事
スポンサーサイト

テーマ メキシコ    ジャンル 海外情報



 

Comments

Leave a Comment








1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31

top bottom
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。